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平成18年度 第51回強歩大会


昼間の猛暑とは裏腹に少し肌寒いくらいの8月27日(日)未明、母校恒例の強歩大会が開催されました。通例では今年は森吉からのコースの予定でしたが、警察と学校の協議で国道105号、285号の交通量が以前よりも増えており危険であるとの判断から2年前と同じ八幡平・尾去沢コースとなりました。(スタートは男子・八幡平中学校で変らず、女子は八幡平小学校から尾去沢中学校に変更。またコースが微妙に違うため距離も男子36.6km、女子30.4kmと短くなっています。)

それでも生徒達には決して楽ではない行事であり、父兄・学校・地域の多くの方にとっても生徒と一緒になって熱くなる一夜ではないかと思います。

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大館でもこんなに星が見えたかな、と思う程の満天の星空。暗闇の道に点々と灯る懐中電灯やランタン、自動車のライト。母校を目指す最後の関門である、大館市中山の乳井石油スタンドにはトップランナーの通過を待つ100名弱の関係者。夜半からの準備、そして待機。半袖では少し寒いくらいだ。

1時50分頃、先頭ランナーに伴走するタクシーのハザードランプが見えてきた。「来たぞ?!」という声に、テントを囲む意気がにわかに熱くなる。何と最初に飛び込んできたのは、1年生の女子。バスケット部員らしい。休む間もなく飛び出していくが、父兄からは「ほう、凄いな」と感嘆の声が挙がる。関門を担当している野球部のメンバーも予想外の展開にざわついている。

それから5分と経たない内に、3年生女子2名が先頭のタイムを気にするように入ってきた。上級生やクラブの意地があるのだろう、あっという間に出発。そうこうしている内に男子のトップも関門を通過していった。結構なピッチだ。

車ならここからバイパス経由で柄沢に抜けるところだが、コースは一旦山館の旧道を通り、上川沿から柄沢へと登っていく。どのコースでも母校のある台地状の土地に向かうには必ず最後に登り坂が伴う。今回は山王日吉神社の坂が最後の難所だ。ここは扇田方面から通学する大中OBには思い出の地のようだが、戊辰戦争の激戦地でもあり何となく薄気味悪い。どうした訳か先頭ランナーはここで少し歩き始めた。気が弛んだ訳でもあるまいが、最後の最後に身体が言うことを聞かなくなることは珍しくないのは言うまでもないことである。これが強歩か。

一足早く学校に着きゴールを狙う。ランナーや他の関門のようすは知らされていないのか、トップが柄沢を過ぎたことを告げると「あと10分!」と大きな声が挙がる。深夜の興奮も手伝って狂喜する野球部員達。温かい食事を作ってくれているお母さん達もソワソワしている。毎年変らずの光景だ。

伴走のタクシーが校門をくぐって間もなく先頭ランナーが見えた。男子か女子か。男子だ!2時26分、陸上競技部3年の大場直樹君が指を立てて見事ゴール。例年よりも速いような気がする。着いても身体をほぐす余裕があるところを見るとさすが陸上部といった感じで頼もしい限りだ。

それから2分後、女子の1位、3年生の古川茜さんがゴール。水泳部だということでゴールがどよめいた。膝から血が出ているがどこかで転んだようだ。そして2位、3位と到着。皆清清しい笑顔で辛さを微塵も感じさせないばかりか、達成感が顔に満ちているのが分かる。

そして明るくなるまで次々にゴールが続く。

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伝統行事が様変わりしていく中、強歩大会を見る限りでは後輩諸君にも脈々と文武両道の伝統が継承されていることを感じることができました。皆さん、お疲れさまでした!